パワーカップルにとってタワーマンションは資産価値あり?人気の理由&今後の注意点
パワーカップルとは、互いの年収が700万円以上ある高所得の夫婦のこと。
女性の社会進出や共働きの増加に伴って、パワーカップルと呼ばれる裕福な世帯が増えています。
タワーマンションは、そんなパワーカップルに住居として選ばれることが多いです。
なぜタワーマンションはパワーカップルに人気なのでしょうか?
また2020年から突如として始まった、コロナ禍に伴う生活様式の変化。
そんな中で、今後もタワーマンションはパワーカップルにとって最適な住居となるのでしょうか?
パワーカップルにとってタワーマンションが今後どんな資産価値を持つのか、その展望をお伝えします。
タワーマンション人気は下落している?
「タワーマンションの人気はすでに終わった」
「タワーマンションの廃墟化が進んでいる」
「タワーマンションは買いではない」
そんな声も囁かれるようになった昨今。
ですが、ご存知でしょうか?
2020年には地上20階以上のタワーマンションが、新たに40棟(約12,000戸)竣工。
2021年にはさらに38棟(約10,000戸)のタワーマンションが竣工予定なのです。
タワーマンションは、都心などのアクセス便利な好立地に、多くの人が住める構造。
もしタワーマンションが建つような駅近エリアに土地付住戸を建てようと思ったら、1人の人間では一生かかっても支払い切れない費用がかかるでしょう。
都心で仕事をする多くの人が、手の届く範囲で便利に暮らすには、タワーマンションは最適な構造なのです。
またタワーマンションのデメリットや人気の下落が取り沙汰されるのは、第一次ブームであった2000年代の物件が基準になっていることが多いです。
タワーマンションの先駆けであった2000年代から、すでに20年近くが経過。
その間に建物の耐震構造の技術も進歩し、共用施設や外観のメンテナンス、管理組合の運営方法など、重要性が認識されて改められたタワーマンションの慣習は多くあります。
さらにタワーマンションは、売るときも資産価値が下がりにくいのが特徴です。
今まで住んでいたタワーマンションを売却し、今年以降で建設されたタワーマンションを購入する方も少なくないでしょう。
そのため、今後もタワーマンション人気は続くと考えられるのです。
タワーマンションに多いパワーカップルとは?
パワーカップルとは、いわゆる「共働き」の夫婦を指します。
しかし共働きと言っても、稼ぐ金額が一般のサラリーマンのレベルではありません。
パワーカップルの定義は様々ですが、
・夫婦ともに正規雇用で、互いの年収が700万円以上ある
・世帯年収が2000万円以上ある
といった、高所得世帯のことを指します。
日本人の正社員の平均年収が約500万円ですから、ともに平均以上の年収を稼いでいる夫婦ということになります。
タワーマンションがパワーカップルに人気の理由
三菱地所のデータによると、東京都心のタワーマンション購入者に最も多いのは、
・30〜40代前半
・2人家族
・年収700〜1400万円
の世帯。
年代・家族構成・年収から、タワーマンション購入者に多いのはパワーカップルそのものです。
タワーマンションがパワーカップルに人気というのは、データを見ても明らかです。
ではなぜタワーマンションは、パワーカップルに人気なのでしょうか?
理由は3つあります。
理由1.通勤に便利
パワーカップルにとって重要なのが、通勤に便利な立地でしょう。
年収700万円以上を稼ぐ仕事は、決して楽ではありません。
30〜40代ともなれば、男女かかわらず責任ある立場に就いていることもあります。
会社への通勤時間が短い、乗り換えが少ない、最寄り駅まで近いといった条件は、日々の仕事が生活の中心を占めるパワーカップルにとって重要条件です。
タワーマンションは駅直結など、アクセス便利な立地の良さが売り。
パワーカップルにとって、最重要条件とも言えるアクセスの良さをクリアしている物件が多いのです。
理由2.スーパーや保育園などが併設されている
パワーカップルにとって、通勤前後の家事育児がスムーズにできることも重要です。
最近のタワーマンションには、敷地内に24時間営業のスーパーや保育園が併設されている場合がほとんど。
朝は、自宅敷地内の保育園に子供を預けてから通勤。
帰宅時は自宅敷地内のスーパーで買い物をして、隣の保育園にお迎え後、すぐに自宅へ。
幼い子供のいるパワーカップルとしては、仕事も家事育児もスムーズかつ効率的にできる、理想的な生活スタイルではないでしょうか。
いま子供がいないパワーカップルも、将来を見越して、家事育児がやりやすいタワーマンションを選ぶ傾向にあります。
理由3.高めの家賃・ローン・管理費支払いに耐えうる年収がある
通勤便利、家事育児がしやすい住宅には、どんな人だって住みたいものです。
しかしそうした条件を備えたタワーマンションは、家賃・分譲価格・修繕積立金などの管理費まで、全てが通常のマンションより高めです。
予算の関係で、通勤は不便だけれど、都心より安価な郊外マンションを買う人も多くいます。
それでも「通勤」も「生活」もどちらの利便性も叶う都心タワーマンションを買えるのは、やはり夫婦共に高収入なパワーカップルだからでしょう。
夫婦ともに正規雇用で平均以上の年収があるため、夫婦のどちらか一方が万が一働けなくなっても、収入が途絶えるリスクもありません。
高い収入の柱が2本あるパワーカップルは、タワーマンションの高めの支出にも耐えることができるのです。
パワーカップルが注意すべきタワーマンションの選び方
パワーカップルにとって、タワーマンション購入は良いことだらけに思えます。
・通勤に便利
・仕事前後の家事育児がスムーズにできる
・資産価値があり、売るときも値段が下がりにくい
しかし無敵に思えるパワーカップルも、タワーマンション選びにはいくつか注意すべき点があります。
さらにコロナ禍で仕事のやり方も生活様式も大きく変わった今。
パワーカップルのタワーマンション選びで、新たに注意すべきポイントもご紹介します。
注意1.部屋の広さや間取りが合わなくなるリスク
東京都心のタワーマンションに住む人に多い家族数は、
2人→3人→1人→4人→5人以上
の順で多いことがわかっています。
タワーマンションには夫婦、子供がいても1人まで、単身者世帯が多くなっています。
一方、4人以上のファミリーは少ないことがわかります。
理由としては、タワーマンションの平均価格の部屋に60〜70平方メートル・2LDKといった広さが多いこと。
立地や階層にもよりますが、60〜70平方メートル・2LDKで5000万円台といったタワーマンションが都心には多いです。
しかし4人以上の家族で住むには、80平方メートル・3〜4LDKぐらいの広さと間取りが理想的。
そこまでの広さになると、7000万円台ほどになる物件も多いです。
パワーカップルが購入する物件としては、5000万円代くらいの部屋が現実的。
今は夫婦2人や子供1人でも、将来的に家族が増える可能性もあります。
そうなると、現実的に購入できるタワーマンションの広さでは、かなり手狭になることも。
予算はもちろんですが、将来的な家族計画なども見据えて、タワーマンションのどの広さの物件を買うのか検討するのがおすすめです。
注意2.修繕積立金などの増大リスク
タワーマンションは共用施設などが充実しており、外観の補修工事なども大掛かりになります。
そのためタワーマンションの修繕積立金は、通常のマンションに比べて高額になる傾向があります。
現在は収入に問題がないパワーカップルも、大規模修繕が必要になる10年後・20年後・30年後には、どのような収支バランスになっているかわかりません。
タワーマンションは将来的なメンテナンスの費用リスクが大きいことを踏まえて、予算計画は慎重に練ってください。
【関連記事】タワーマンションの管理費・修繕積立金の平均相場は高い?老後も一生払うの?
注意3.「通勤に便利」な立地が重要でなくなるリスク
パワーカップルにとって大きなメリットである、タワーマンションの通勤に便利な立地。
都心の一等地に建っていてアクセス良好だからこそ、タワーマンションは高額でもあります。
しかしコロナ禍で、リモートワークや在宅ワークが普及するなど、働き方は次第に変わってきています。
職種にもよるでしょうが、在宅ワークが主流となった場合、タワーマンションの「通勤に便利な立地」というメリットは重要でなくなる可能性があるのです。
通勤が重要でなくなった場合、高いお金を出して、都心のど真ん中にあるタワーマンションを買う必要がなくなることも。
郊外の戸建てや、夫婦どちらかの実家に近い場所に家を買った方が、予算的にも生活スタイルとしてもメリットが大きくなることもあります。
今後、働き方改革などの推進で毎日の通勤が当たり前でなくなる時代がきたときに、都心一等地のタワーマンションが自分たちにとって本当に価値があるのか。
パワーカップルそれぞれのライフスタイルの価値を見直しつつ、タワーマンション選びを慎重にする必要があります。
まとめ
パワーカップルは、新しい時代の理想的なカップルのあり方です。
高収入の仕事があり、人々の羨望を集める便利な高級タワーマンションに住む。
都心の成功者のあり方の一つと言えます。
しかしパワーカップルは、家族構成などに変化がある可能性も少なくありません。
またコロナ禍をきっかけに、働き方が大きく変わる可能性もあるでしょう。
パワーカップルにとってのタワーマンションの価値が、がらりと変わる可能性もあります。
とはいえパワーカップルにとって、タワーマンションが便利で快適な住居に違いはありません。
タワーマンションを検討しているパワーカップルの方々は、ぜひご自身のライフスタイルや幸せの価値に合った物件を選んでください。